世間は重苦しい雰囲気で明るい映画が見たいな、と思い映画館へ。映画封切り初日に見るなんて、久しぶりです。平日の昼間の映画館は若い人が多め。
広瀬すずさんが気になりだしたのは、映画『悪人』から。衝撃的な場面もあって重い役だったけれど、芯があって素敵だった。最後のシーンの表情が特に印象的で覚えています。それからドラマ『anone』を見ていて、最近ではNODA MAPの『Q』での初舞台も見ました。初舞台でしたが、違和感なく堂々とした演技でした。21歳での初舞台が野田秀樹さんというのもすごいですよね。順風満帆、エリートコースという感じです。この映画で広瀬すずさんは初めてのコメディ出演とのことですが、ツッパってはいても悪くはなりきれない勢いのある女の子の役がとても合っていました。
吉沢亮さんはドラマ『ぼくは麻理の中』(2017年)で初めてちゃんと見ました。原作の漫画は知らなかったけど、ドラマがすごく面白かった。吉沢亮さんはこのドラマの中でも冴えない男性の役でした。あんなにイケメンなのに…。今回の映画の中で走ったりする場面もキビキビとではなくもっさり動いていたりして、冴えない社員でした。あんなにイケメンなのに…、イケメンというより美男子か。
堤真一さんも美男子ですが、三枚目の役を演じているとかっこよく見えないんです。それが凄いですね。今回もちょっと頭のネジのずれた研究者の役を楽しそうに演じていました。その意味で一番印象的な映画は『容疑者Xの献身』でした。福山雅治さんと対照的な、自信のない鬱屈とした演技が凄まじかった。映画上映当時私は演劇にはまっていて演劇ばかり見ていたのですが、顔のアップの画面が映し出されるとわずかな表情の変化も分かるのでやはり映画も良いなと思い直したぐらいです。シリアスな作品でもコメディでも、また舞台、映像問わずなんでも対応できる役者さんですごいの一言。長塚圭史さん演出の『マクベス』の登場のシーンで客席の通路を通ったのですが、私は通路脇の席だったので真横を通り過ぎた堤真一さんを間近で見ることができました。「うわ…かっこいい…(鳥肌)」一瞬だったけど今でも忘れられません。定期的に舞台の仕事もされているので、ぜひ。
メインの役者さんの他にも諸処で色々な方が出演していてそれも楽しかった。舞台『Q』のご縁か志尊淳さんや竹中直人さんもちらりと出演。その中で私がテンション上がったのは劇団「ハイバイ 」の永井若葉さんです。
映画は話の展開も分かりやすく、テンポも良かった。最後にはハッピーエンドなんだろうなと分かっていても、飽きることはなかったです。最近は長時間の映画も多いけど、この映画は1時間半でそれもちょうど良いですよね。安心して楽しめる映画でした。
『一度死んでみた』2020年/日本 93分
監督:浜崎慎治
出演:広瀬すず、吉沢亮、堤真一、リリーフランキー、小澤制悦ほか
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